解決事例紹介

TROUBLES 「相談していいことか分からない…」
「どこに聞けばいいのか分からず困っている」
というあなたへ

このページでは、これまで当事務所が実際にお手伝いしてきた“解決の一例”をご紹介いたします。

お客様と共に課題と向き合い、どのように前へ進んだのか。

その過程をご覧いただくことで、
「自分の相談も大丈夫かもしれない」と思っていただけましたら幸いです。

CASE 解決事例

  • 相続手続が全部終わってもう何年も過ぎた今、別の相続財産があることが分かりました。遺産分割協議をまた最初から全部やり直さなければいけませんか?

    依頼内容

    ご高齢のAさん。10年以上前に奥様のBさんを亡くされた際に、相続人全員(=Aさん、長男Cさん、長女Dさんの3人)で円満に話し合って相続手続を進め、Bさんについての相続手続は全部終わったと思っていました。
    ところが、最近になって、Bさん名義の土地が1か所残っていることがわかり、ご高齢のAさんは自分が存命のうちにBさんについての相続手続を終わらせたいと思っていたところ、「不動産の相続登記が義務化された」というニュースを聞いたので、相続登記の手続など、Bさん名義の土地の相続手続を早く円満に終わらせるにはどうしたらいいでしょうか?とのご相談。

    解決方法

    ・まず、『"相続登記の義務化"の法律は2024年4月1日から施行されていますが、3年間の猶予期間があって、今回のように「2024年4月1日より前に発生した相続」の登記は「2027年3月31日まで」に相続登記が終わっていればいい』ので、まだ時間にゆとりがある、とAさんに伝えました。 
                                                                                  ・また、「登記」の手続は基本、司法書士でなければできないので、「遺産分割協議書」の作成などは行政書士である私がやりますが、登記の手続は知り合いの司法書士に依頼するので別途料金が掛かることを伝えました。 
                                                                                                            ・遺産分割協議が成立して相続手続が終わってから、新しく見つかった相続財産は、その「新しい相続財産」だけについて相続人全員で「遺産分割協議書」を作れば足りることを伝えました。                              ・そして状況確認のため、依頼人のAさんからくわしくお話を伺ってみると、その「Bさん名義の土地」は、元々はBさんが実家から相続した土地で、遠方の県外に嫁いでいるDさんよりは比較的近いAさんやCさんの自宅からも約20km離れ、交通の便も良いとは言い辛く、例えば家を建てられるほどの広さも無く、農地でもなく、現在は「資材置き場」のように使われていて、Aさんが時々「雑草の草刈り」をするほかは、隣地の住人の方も時々草刈りをしてくれる、とのことでした。  
                                                                                              ・以上の聞き取りと現地確認の結果、この土地が、どの相続人の家からも遠くて利用しにくいとわかりましたが、それでも「3人のうち誰かが相続しなければならない」ので、Dさんが特に遠方に住んでいる状況ですが、まず電話で、あと連休などを利用して直接会ったりして、3人の相続人の間で時間を掛けてよく話し合ってもらいました。
                                                                       ・その話し合いの「手がかり」として、私からも、Bさん名義の土地を、①「Aさんが相続」、②「Cさんが相続」、③「Dさんが相続」の3つの場合ごとに、①~③の3種類の「遺産分割協議書(案)」を作って、そのそれぞれの場合の「予想される主なメリットとデメリット」を私からAさんに説明して、AさんやCさん、Dさんの考える材料としてもらいました。(なお、CさんとDさんへの説明は、依頼人であるAさんからお願いしました。)  また、あわせて、個の遺産分割協議の後で、「また新しい相続財産が見つかった場合」についても、その相続人を①Aさん、②Bさん、③Cさんの誰にするか?のそれぞれの場合についても、「遺産分割協議書(案)」をそれぞれ作って、Aさん、Cさん、Dさんの考える考える材料にしてもらいました。  
             ・そうして、Aさん、Cさん、Dさんに、いろいろな場合について時間を掛けて比較検討していただき、最終的には、ご希望により、Bさん名義の土地は「Dさんが相続する」ということになり、それに従った遺産分割協議書を作成させていただきました。

    ポイント

    ①最初に相続人全員での「遺産分割協議」が一度、有効に成立したら、その合意内容は、原則、(遺産分割協議をやり直すまでは、)ずっと有効なので、後で『新しい財産』が見つかった場合でも、最初に成立した「遺産分割協議」をやり直す必要はありません。その場合、後で見つかった『新しい財産』についてだけ、相続人全員で遺産分割協議をして、合意内容を「遺産分割協議書」にまとめ、その後必要な相続手続をすれば大丈夫です。                                                            〔↑なお、以上が「原則」ですが、例外として、もし、相続人の全員が、”どうしても最初から全部の財産の「遺産分割協議」をやり直したい”、と相続人全員が合意すれば、全部の相続財産についての遺産分割協議をやり直すこともできます。(←ただし、全部やり直した場合には、最初の遺産分割協議に従って各相続人にもう分けてしまった相続財産を、「またもう一度、分けなおす」ということになり、大変な手間がかかります。)〕                                                 

    ②遺産分割協議をするときは、必ず「相続人全員」で話し合いをしてください。もし1人でも相続人が抜けていると、原則として、その遺産分割協議書は"無効"(=「初めから何も無かった」のと同じに扱われてしまう。)になってしまいます。                                                                                                                            

    ③今のところのやり方としては、合意内容の確認のため、「遺産分割協議書」は「日付入り」の文書で作って、相続人全員がそれぞれ署名と押印(←後の相続手続での本人確認トラブル防止のため印は「実印」を使い「印鑑証明書」を添付。)をして、各自1部ずつ保管してください。〔←この③の「やり方」は将来変更の可能性があります。〕                                                                                                

    ④「遺産分割協議書」は、トラブルを減らすため「(相続財産全体のうちで、)相続人の誰が、何の財産を(どれくらいの割合で)、どのように相続するか(または、しないか)」など、各相続人の相続財産が特定できるよう、できるだけくわしく、ハッキリ具体的に書いた方がいいです。                                                                                                 

    ⑤できれば、「遺産分割協議書が成立した後で、新しい財産が見つかった場合に誰が相続するか?」をその遺産分割協議書の中で具体的に決めておけば、”新しい財産”が見つかるごとに相続人全員が集まって協議する手間が省けます。

  • 著作権などの権利を譲り受ける契約書(著作権譲渡契約書)を作ってほしい

    依頼内容

    主に女性向けアレンジ小物を取り扱う会社を営んでいるPさんから、「取引先の個人事業主Qさんが作成してPさんに納入する商材につき、納入される商材の著作権をAさんに譲り受ける『著作権譲渡契約書』を作ってほしい」というご依頼を受けました。                                                                                       最初伺ったときは「著作権(だけ)を譲り受ける」というお話でしたが、Pさんからくわしくお聞きしたところ、「Qさんから納品される商材についての『(著作権だけではない)すべての権利』を譲り受けたい」とのことでした。

    解決方法

    依頼主のPさんの住所がとても遠方だったので、メールでのやりとりで、まず最初にくわしい状況をお伺いし、作成途中にもこまめに情報交換と確認をしながら、「著作権譲渡契約書」の文案を作成し、将来考えられるトラブルをできるだけ予防するために、契約書の条文はできるだけくわしく書き込みました。                                                                             たとえば、多くの譲渡契約書で一般的な、①『所有権(=納品される商材を「カタチあるモノ」と見て、そのモノを自由に処分できる権利)』と、②その同じ商材を「一つの作品(=カタチの無い知的財産である”著作物”)」として見て、その”著作物”への財産的権利である『著作権』と、③著作権のうち契約書に条文にハッキリ書き込まないと譲渡されない『著作権法第27条の権利(=二次的著作物を創作する権利)』と『第28条の権利(=二次的著作物を利用する権利)』の譲渡の明記、また、④法律上著作者の一身に専属し、他の人に譲渡することができない権利である『著作者人格権(=著作者の人格的利益を守る権利)』の取り扱い(”著作者人格権不行使”の確認)などの「著作権譲渡契約書」で一般的な条文はもちろん、それに加えて、今回の事例では、「(できる限り)全ての権利を譲り受けたい」というAさんのご要望の方向性に従い、(契約内容の将来の発展可能性も考え、)著作権以外の将来発生するかもしれない知的財産権、例えば「意匠登録を受ける権利」や「特許を受ける権利」などの取り扱いも可能な限り条文に盛り込みました。
    さらに「契約の対象に含まれる商材の範囲」はどこまでか、毎回の商材の納品時の「検品」(必要に応じて「返品」)作業の際に、それぞれの商材の「所有権」や「著作権」などの知的財産権利がどのタイミングでAさんに移転するのか(又は、しないのか)を具体的に書き込みました。

    ポイント

    ・たとえばひとつの「モノ」(商材など)を見た場合に、①その「カタチあるモノ(物体)」としての面に対する権利である『所有権(=そのモノを自由に処分できる権利)』と、②その同じモノを「一つの作品(=心や頭の中にあるイメージやアイディアである、カタチの無い”知的財産”の一つである”著作物”)」として見て、その”著作物”としての面に対する財産的権利である『著作権』とを、区別して考えることが大切です。

    具体的な例としては、たとえば、誰かが作曲した音楽を録音したCDディスクが1枚あったとすると、そのCDディスクには『所有権』と『著作権』が同居していることになります。                                                           その「持ち運びができる円盤状のカタチのモノ」としてのCDディスクは、外見では、上の①の「カタチあるモノ(物体)」であり、それをコントロール(支配)する権利が『所有権』です。                                                              また、そのCDディスクの中に「データ」の形式で記録されている、「(作曲者の心の中のイメージとしての)音楽」は、物理的なカタチの無い、イメージとしての”知的財産”のひとつである”著作物”です。そしてその物理的カタチのない「音楽」の、物理的カタチのないイメージである”著作物”としての面をコントロールする権利が『著作権』です。


    ・「著作権」の中にはたくさんの細かい権利が含まれています(←「複製権」「上映権」「演奏権」「譲渡権」「公衆送信権」…など)。だから、例えば著作権譲渡契約を結ぶ場合には、何についてのどの権利をどの範囲で譲渡するかなど、できるだけ細かく決める方がよいです。

    ・著作権関係の権利の中には、性質上、他人に譲渡できない権利(「著作者人格権」や「実演家人格権」など)や、性質上は譲渡できるはずですが、契約書の条文に具体的に明記しなければ譲渡できないもの(「第27条の権利」「第28条の権利」など)もあります。十分ご注意ください。